
8月24日の夜の発表でダウ平均株価を構成する30社のうち、3社を入れ替えるという話題が入ってきました。過去7年間で最も大きな変更です。
今回はこのニュースを深掘りしていきたいと思います。
よろしくお願いします。
ダウ平均株価とは
そもそもダウ平均株価とはダウ工業株30種平均のことで
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出するアメリカの代表的な株価のことです。
2000年以降は1,2年に1社ほどの頻度で入れ替えが行われてきました。
S&P500やNASDAQ100と違いチャートとしてはいまいちで投資対象としてはいまいちですが
ダウ自体の歴史も古くアメリカを代表する格式高い指数として扱われることが多いです。
今回の入れ替えの要因
大きい理由のひとつとしてAPPLEの株式分割
4:1の株式分割を行う。
つまりAPPLE株1株が4株になり株価が4分の1になるということ。
これにより個人投資家にも手ごろな価格となり、よりAPPLEに投資しやすい環境になりそう。
ただダウへの影響は大きい
それはなぜかというとダウ平均は単純に30社の株価を足して除数で割った値だから。
つまり、株価が4分の1になってしまうと単純にダウ平均への寄与度が下がってしまうのです。
今回の入れ替えの詳細
順番に今回の入れ替えの詳細とどんな会社なのかを紹介していきます。
エクソンモービル除外・セールスフォース・ドットコム採用
ここで触れるべきはエクソンモービルはただの石油会社ではないこと。
かつて世界を股にかけ栄華を誇った会社。
ただここ数年は凋落し石油会社の中でのトップの座もシェブロンに明け渡した。
現在8%以上ある配当も継続は厳しいかもしれない。
そして新たに採用されたのはセールスフォース。
今勢いのあるクラウド銘柄の1つ。
今、そしてこれからの時代を象徴する銘柄だ。
世界マーケットシェアは16.1%で第1位、日本国内の営業支援システムのマーケットシェアは60.4%を占めている
「働きがいのある会社」ランキング1位に2年連続で選ばれていたりもする。
APPLEの株式分割による影響を軽減する要因にもなりえる。
エクソンモービルよりもいまや時価総額も大きくなっている。

参考までにチャート比較
赤がエクソンモービル青がセールスフォース・ドットコム
ファイザー除外・アムジェン採用
ファイザーが外れるのはあまり納得していない人も多い様。
もしかするとメルクやジョンソンエンドジョンソンなど、類似した銘柄があるための調整という面もあるかもしれない。
アムジェンは世界最大の独立バイオテクノロジー企業
ただあまり新しい会社ではないどちらかというと2000年代初頭に頭角を現した会社だ。
バイオテクノロジー界のトップというわけでもないのでこの入れ替えは賛否両論かなというところ。

赤がファイザー・青がアムジェンのチャート
レイセオン除外・ハネウェル・インターナショナル採用
レイセオンはアメリカの大手軍需製品メーカー
このレイセオンの除外は今年春の買収によるものの影響が大きい。
というのも今年レイセオンはユナイテッド・テクノロジーの航空宇宙部門を買収。
その結果すでにダウ銘柄であるボーイングと近しい存在になってしまった。
業績などではなくこのことが起因している可能性が高い。
そして新規採用のハネウェル。
テクノロジーおよび製造分野におけるトップレベルの複合企業であり、これからますます発展していく公算が高い。
活躍しているのは航空宇宙・ヘルスケア・特殊素材・電化製品・ソフトウェアなど多岐にわたっている。

赤がレイセオン、青がハネウェルのチャート
まとめ
いかがでしたでしょうか
今回のダウ平均構成銘柄3社入れ替えに対して、ダウ平均の指数としての大きな方向性は変わらないと思いますが理由がわかると納得いく点も多いですよね。
なかでも一番インパクトがあったのがエクソンモービルとセールスフォース・ドットコムの入れ替えではないかなと個人的には思います。
石油・ガスなどのエネルギーセクター企業は時代とともに淘汰されクラウド、情報技術、通信などの
ハイテク分野が今後も躍進を続けそうということでしょうか。
ただ銘柄が入れ替わるというだけでなく理由もわかるとニュースが少し面白くなる気がします。
またこのように経済ニュースの深掘りもやっていけたらと思います。
ではまた✋
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