
東京オリンピックがもはや終了の様相を呈してきた。
国や五輪組織委が期待している新型コロナウイルスのワクチンだが、来年の開催までに世界中に行き渡らせることは難しいことが鮮明になりつつある。
今後果たしてどのような未来が待っているのか。
東京2020中止の根拠は
新型コロナウィルスの影響で各国は財政の健全化など経済対策が最優先となっており今年から来年にかけては特に優先は経済であろう。
また代表選手の再選考をしたくてもそもそもその大会自体が開けないのも理由の一つだ。
主な先進国では第一波の終息を迎えたが未だアフリカ、中南米などの地域では第一波が猛威を振るっている。
ワクチンができたとしてそれを世界中に行き渡らせる時間的な余裕はない。
そしてワクチンを使用する際の注射器など付随する消耗品の数の確保も厳しい。
スポンサーの本音は
代表的な例を挙げると
長年、アメリカの代表選手や関係者の移動を担ってきたスポンサー企業のひとつ、ユナイテッド航空は1月~3月の決算で1800億円もの赤字を計上した。
「延期を受けて各スポンサー企業は再契約を迫られていますが、難航しています。
大減益のなか、ビジネスとしての旨味も宣伝効果も薄い東京五輪にカネを出す意味を測りかねているのです。
中止になってほしい、というのがホンネでしょう」(在米ジャーナリストの伊吹太歩氏)
不確かなものに大金を支出して取り返せる根拠はあるのか?
そんなギャンブルをする必要性を見出せないですよね。現に今五輪スポンサーを声高々にアピールしている企業をご存じですか?僕は知りません。
現実的に考えて判断のリミットは
では現実的な可否判断はいつなのか。
以前IOCのコーツ調整委員長が言及した、今年の10月頃ではと考える見方が多い。その理由としては次のようなことがあげられる
まずアスリートの立場で考えると、多くの競技で最終予選を行わなければならない。
そして五輪クラスのトップアスリート達の予選ともなれば、少なくとも半年以上前には日程と場所が決定している。
アスリート達はそれに向かって自分を追い込んでいくのであり、体調を調整するために最低半年以上は必要だ、と語る選手達は多い。
つまり、10月になっても半年先の予選日程が組めないほどコロナ禍が継続しているようなら予選すら組めないし、その後の五輪開催などもちろん無理と言うことになる。
またその頃になれば、世界中の選手達や選手会から五輪中止要請がIOCに集まり、大きな圧力となるだろう。
また、最後の頼みの綱であるワクチン開発が間に合うかどうかも、10月頃になれば向こう半年先程度の予定がはっきりしてくる。
現状でもすでに絶望的だが、それがより明確になってくるのが10月ということだ。
どのように終わらせるのか
唯一の頼みの綱であったワクチン開発が望み薄となる中、撤退に向けて動き始める企業たち。
しかし中止必至ではあるものの、これからの最大の課題は、「コロナのせい(だけで)で潰れた」と推進者達が言い逃れすることを封じることにある。
組織委は事あるごとに五輪の遺産(レガシー)を吹聴してきたが、中止によってそれらは完全に雲散霧消した。
むしろこれからは、今まで隠されてきた諸問題を徹底的に検証し、二度と再び同じ愚を起こさせないようにすることこそが、後世への真の遺産「レガシー」になるのではないか。
そのためにも、五輪中止の暁には、「コロナで仕方なく潰れた」のではなく、「潰れるべくして潰れた東京五輪」の真相を、広く国民に周知していかなければならない。
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